糖尿病(1)-2 合併症について

糖尿病第2回目のお話しとして、今回は合併症についてお話ししたいと思います。

どうして糖尿病を治療する必要があるのでしょうか。
前回お話ししたように、それは糖尿病が色々な合併症を引き起こしてくる病気だからでしたね。

そのため、糖尿病治療の目的は合併症を

  1. 起こさない
  2. 進行させない

ことにあると言えます。

日本で行われた研究(熊本研究)から、HbA1cが6.9%以下の患者様では、合併症の発症や進行が抑えられていたことが分かっています。そのため、糖尿病治療の大前提としては、HbA1c6.9%以下を目指すことになります。もちろん目指せる方は、HbA1c6.0%以下を目指しましょう。

では合併症とはどのようなものがあるのでしょうか。

1.眼の病気(糖尿病網膜症)

網膜と言われる目の奥(眼底)にある部位から出血してきます。最初の頃は、出血は軽度ですので、自分では出血しているか知ることはできません。大出血して初めて合併症が進んでいたことを知る人もいるくらいです。

目の奥にある網膜を検査するためには、特別な機械が必要になりますので、眼科を受診して調べてもらう必要があります。一般的にはあまり知られていませんが、糖尿病は、失明する原因の第2位となっています。定期的に検査するようにしましょう。

2.腎臓の病気(糖尿病性腎症)

よく尿検査をされることが多いと思いますが、尿蛋白が出現している糖尿病患者様は注意が必要になります。最初の頃は自覚症状がない腎臓の病気ですが、体の疲れやむくみが出現した時には腎臓の状態がかなり悪くなっていたということもあります。

腎臓が悪くなると、最終的には尿が出なくなり、体に悪い物質が溜まっていきますので、透析療法が必要となってきます。糖尿病は透析する原因の第1位となっています。

3.神経障害(糖尿病性神経障害)

糖尿病になると手足のしびれや痛みが出てくる人がいます。
これが神経障害と言われる症状です。他に原因(たとえば、腰のヘルニアなど整形外科の病気)がない場合は糖尿病からくる症状と考え検査や治療を行っていきます。

その他にはあまり知られていませんが、体の機能を調節している自律神経にも異常がでてきます。立ちくらみや、不整脈、便秘や下痢、男性であれば勃起障害など色々な症状を引き起こしてくるのが特徴です。心臓や胃、腸などに他の病気がないことを確認した上での診断になりますので、かかりつけの先生に相談してみるのがよいでしょう。

4.動脈硬化

心臓の血管、脳の血管、手足の血管など色々な血管が糖尿病によって詰まってしまします。心臓の血管が詰まって引き起こされる病気を心筋梗塞といいます。糖尿病の人は健康な人より3倍も心筋梗塞になりやすいと言われています。

脳の血管が詰まる結果、脳梗塞(糖尿病がない人の2~4倍)が起きてきますし、足の血管が詰まると足の指が変色してきたり、腐ってきたりします。いずれも早期発見が重要になるものばかりですので、少しでもおかしいなと感じた場合はすぐに受診した方がよいでしょう。

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5.その他(歯周病、認知症)

最近頻繁に言われてきた合併症として歯周病があります。
血糖が高い患者様では体を守る機能が低下していますので、口の中にいる歯周病菌が繁殖し、歯肉炎がおきてきます。歯医者に通ってもなかなか治らない方がいれば、一度糖尿病の検査を受けられることをお勧めします。

また、糖尿病の患者様は認知症になりやすいと言われています。物忘れが気になる方は一度主治医の先生と相談して検査をうけるようにしましょう。